[プレスリリース] Preferred Networksと分子標的農薬の共同研究により、わずか6ヶ月で新規除草剤のリード化合物創出に成功
弊社は、株式会社Preferred Networks (以下、PFN社)と共同研究を2021年4月に開始し、除草剤候補化合物の創出に向けて取り組んでまいりました。
両社の持つタンパク質構造解析技術やAI創薬技術、バイオアッセイ技術を組み合わせ、研究開始からわずか6ヶ月という短期間で、新規農薬リード化合物の創出に成功しました。本化合物は、ロイシンなどの分岐鎖アミノ酸の生合成経路において、アセト乳酸を合成する重要な酵素として知られるアセト乳酸合成酵素(Acetolactate synthase:ALS)を分子標的とした低分子化合物です。ALSはこの酵素自体が動物には存在しないため、作用点として安全性の高い農薬となることが期待されます。また、本化合物によるALSに対する阻害効果および初期植物生育阻害試験における薬効が確認できました。
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本共同研究の成果の一部は、第94回日本生化学会大会(オンライン開催)において発表いたしました。
シンポジウム『酵素だョ!全員集合 -今年も酵素を見つめ直す2021-』
セッションNo:3S11m-06
演題:立体構造に基づいた高効率な農薬研究開発
講演者:田中良樹(アグロデザイン・スタジオ)
オーサーおよび所属: 田中良樹1、氏原一哉2、坂井直樹3、北川英俊1、武本瑞貴2、森脇寛智1、佐藤 匡史1、 JK Stanfield1、平田邦生3、竹下浩平3、石谷隆一郎2、山本雅貴3、力丸健太郎2、西ヶ谷有輝1
1株式会社アグロデザイン・スタジオ
2株式会社Preferred Networks
3理化学研究所 放射光科学研究センター
アブラナ科の植物であるシロイヌナズナのアセト乳酸合成酵素(青)に結合して分岐鎖アミノ酸生合成経路を阻害する農薬(黄)のイメージ。(知的財産保護のため、今回創出したものとは別の化合物を参考例として用いています)
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